太宰治『女生徒/ろまん灯籠』


萌え絵が表紙の文庫本。
「挿画/切符、朗読/花澤香菜 名作×イラスト×声優−魅力溢れる奇跡のコラボレーション」って・・・、太宰文学まで「萌え」で消費されちゃう、恐ろしい時代です。
太宰の版権は切れているので、無許可での使用が可能。
しかも、文庫なら当たり前の「解説」すらない有様。
太宰文学に対する敬意なんて微塵も感じられないし、テキトーに作って儲けてやろうという意図がミエミエ。
文学を楽しむための本ではなく、ただひたすらに「萌え」の感情を喚起しようとするだけの最低の本ですね。
これなら「青空文庫」で楽しむ方が遥かにマシかと。
目玉の朗読CDも今時「?」の8cmCD
しかも全編収録ではなく、わずか10分のダイジェスト版。
・・・オタクの方々、バカにされ過ぎてますよ。
そもそも「売れりゃいい」、「儲けりゃいい」っていう野蛮で品性に欠ける行為を、いい大人達が率先してやってはいけません。
日本の社会も文化もどんどん衰退していくだけですよ、それじゃ。


海王社(こんな出版社はじめて聞いたよ)刊。