ムーンライダーズ「LIVE 青空百景」


「ARCHIVES SERIES」の第7弾。
1982年11月16日に行われた渋谷公会堂でのライブを収録した2枚組アルバム。
ライブ盤は普段あまり聞かないけれど、同ライブでの「工場と微笑」を以前どこかで聞いたことがあって、そのアコースティックバージョンがオリジナルよりも魅力的だったことを思い出し、今回の購入を決めました。
とは言え、トータルとしてはかなり実験的なライブであったので、少々の驚き。
打ち込みのリズムやサンプリング素材の積極的な活用もさることながら、ヨーロッパの映画音楽やレゲエ、アンビエント、ノイズなど巧みに取り入れた、一般受けしないであろう複雑な構成の曲ばかりで、さすがひねくれ者集団のムーンライダーズです(笑)。
1982年という時代を考えれば高度に先鋭的な試みですが、一方ではまぎれもなく1980年代初頭の東京の音とも言えますね。
ポップでありながら、どこかしら影があり、そしてクセもある屈折した音がとても心地よい。
全26曲とボリュームもたっぷりだし、満足感の高いアルバムでした。
などと言いつつ、個人的にはメロディアスな「ロシアンレゲエ」や「うざぎと私」(野宮真貴のオリジナルが聞きたくなった)などが良かったですね。