【模型】

1/32デ・ハビランド モスキートFB Mk.V


タミヤの新作大型飛行機模型。タミヤお得意の「誰でも作れる」キットではなく、相応の技術がなければ完成させられない完全なるマニア向けの内容。もちろん、これ「褒め言葉」です。
大きな箱を開けてぎっしりと詰まったパーツを眺めるだけでもつい時間が経つのを忘れてしまいそう。細部まで表現された1段2速過給器仕様のロールスロイス・マーリン25エンジン、面白い分割の自重変形タイヤ、繊細で複雑なパーツで構成される脚部、高密度で超絶成形のパーツ群(機首の7.7mm機銃や給弾ベルトまで再現!)が集まるコクピット周り、リアルなフィギュアなど、それぞれのパーツからタミヤの高い技術力が読み取れます。
フォルムの高い再現性はもはや当然。主翼の構造は実機と同じでまさに「立体資料」。胴体下部の爆弾倉ハッチにはイスパノ・スイザ20mm機関砲と500ポンド爆弾2発が収納され、ハッチも開閉選択式。さらに完成後は機首カバーやスピナーが取り外せてエンジンを見ることができるなど、製作中から完成後まで楽しみが続く、プラモデルならではの魅力に満ちた1点です。
いかにもイギリスらしい美しい飛行機ですが、これが「木製」とはにわかに信じがたいモスキート。キットを作れば多分その辺りも理解できるんだろうなあと思います。
必要最低限のエッチングパーツが同梱、デカールは3種、カラー塗装図に加え、全12頁の実機写真+解説の小冊子まで付いて、まさに至れり尽くせり。アフターパーツ要らず、ワンパッケージで「完結」させている点もさすがタミヤですね。
しばらくはキットをじっくり眺めて過ごすことにします(笑)。