【模型】

HG G-セルフ パーフェクトパック装備型


富野監督による久々のTVシリーズだった「Gのレコンギスタ」。
2クール、なおかつ深夜枠での放送と「ガンダム」シリーズの中ではちょっと低い扱いでしたね。
大仰な台詞まわしに、見る者を置いてけぼりにしてとんでもない方向に進んでいく物語、破綻を破綻のまま見せていく演出など富野監督ならではの作品だったにも関わらず、プロモーションは他シリーズと比べてかなり力を抜いていたように感じられたし、サンライズの「仕方ないから作らせてやってる」感がありありで、功労者に対してこの仕打ちかよ、って印象。まあ、「分かりやすさ」や「あざとさ」がないと今の時代に商売にならないのも分かるんだけど、こういうアニメが受け入れられないのはなんとなく寂しい気もしますね。
まあ富野監督も底意地悪いから(憶測)、バンダイの言うことを素直に聞かないんだろうなあ。・・・「ガンダム作って欲しいのに“G”ってなんだよ!」とか、「Gセルフのバリエーション、どれも立体化難しいやん!」など、バンダイの悲鳴が聞こえてきそうです(笑)。
それにしても、70を過ぎたおじいちゃんが作るアニメとは到底思えなかったし、脚本も絵コンテも全話手がけているってどんだけタフなんでしょう。手描きの戦闘シーンはユニコーンのそれより数段上の面白さだったし、ラスト数話の疾走感は文句なしの快感でした。
その富野監督からのバンダイへの挑戦状であるG-セルフのプラモは、それまでのガンプラフォーマットが通用せず案の定、ユーザーからは批判の嵐が。初手からすでに富野監督の「勝ち」でしたね(笑)。いろんな用途のパックを出しておいて、最後はそのすべてを併せ持つ「パーフェクトパック」を登場させるってのも憎い演出でした。
この最終パックはさすがにバンダイもキット化してくれましたが、劇中で見せた多彩な攻撃と不可思議で美麗なエフェクトを完全再現するのは絶対に不可能。とりあえずキットでは「アサルトモード」と「リフレクターモード」をとらせることができ、「トラフィック・フィン」は脱着式、「フォトントルピード」は発射口がモールドされています。「リフレクターモード」におけるフォトン装甲シールドはクリアパーツで表現されていますが、まあ模型的にはこれが限界でしょうね。
それでもパーフェクトパックそのものの造型は美しく、大きさ的にもバッチリなので、本体の不出来がごまかされるくらいの魅力が感じられます。腰と肩部は新規パーツですが、さらに両手分の平手も追加され、やっとあの1話の印象的なポージングが可能になりました。
最後のキットで手を抜かないのはいいことだけど、こうなってくるとキット化されなかったあれもこれもが欲しくなっちゃいますね。にしてもザンスカール系MSは意地でもキット化しないみたいですな、バンダイは。モランとか立体映えしそうなんだけどねえ・・・。
せめてG-セルフバンダイの新技術(LEDの発光でボディのカラーリングを再現とかw)をいっぱい詰め込んでMG化されることを期待してます。