【本】

松田優作DVDマガジン 蘇る金狼


ムック付DVD。
1642円と安価だし、優作ファンなら全巻揃えたいところでしょうが、すでにテレビ版「探偵物語」のDVDは持っているので、僕は欲しいものだけチョイスして買うことにしました。
ということで、まずは14巻の「蘇える金狼」。子供の頃、はじめて見た時の衝撃は今でも忘れられません。近年テレビでリメイクされたけど、ひどくつまんなかった(いかりや長介の存在感だけは光ってたけど)。やはりこれは70年代という時代が支えた映画だったんだなあと再認識した次第。当時も今も社会的な閉塞感が蔓延していますが、むしろ2つの時代の「閉塞感」はかなり質の異なるものであることが本作を見るとよく分かります。ざらっとした質感の映像、怪優、名優ぞろいの役者陣、レイジーな音楽、どこをとっても70年代!村川透松田優作のコンビは見事に「時代を象徴するもの」を作り上げています。
映像としてのクオリティはお世辞にも良いとは言えず、なんだかVHSテープを見ているようでもありますが、それはそれで時代の空気感みたいなものが伝わってきて、むしろ好印象。なんでもかんでもリマスターすりゃいいってもんじゃないんですよね。
本編以外の特典映像もなかなかに充実しているし、これで1600円なんだから文句は言えません。
ムックの方はどうやらフォーマットが決まっているようで、各記事の深みがなく、さらっとそのコンテンツ(と優作)を紹介している感じ。「マガジン」と称しつつも、実際にはこちらが「オマケ」なんだから、まあこんなものでしょう。
講談社刊。