capsule「FLASH BEST」


2009年に発売されたcapsule初のベストアルバム。
個人的には最近のcapsuleを全く聞いていなかったので、勉強がてら買ってみた次第。
生産数を見誤ったのか、今じゃどこでも半値程度で買えますしね。
「ベストアルバム」とは言え、初期のお洒落フレンチポップナンバーは「レトロメモリー」以外バッサリとカットされています。
中田ヤスタカはたぶんこの曲も外したかったんだろうなあ、と思うくらいに全体の構成からは浮いてますが(笑)。
最近の代表作である「JUMPER」はバリバリのエレクトロダンスチューンですが、個性的なリズムを刻むベースと曲間に入る「無限」を想起させるシンセのメロディとの反復に思わず脳汁があふれ出してきました(笑)。
人間の本能へダイレクトに刺激を与えるこうした曲をいともたやすく作ってしまう中田ヤスタカは確かに「天才」なのかも知れませんね。
通して聞くと「レトロメモリー」や「空飛ぶ都市計画」から「JUMPER」に至るまで一貫して「ポップ」であることも理解でき、その前衛性、先鋭性と大衆性の止揚という点においては「見事!」という他ありません。
ゆえに「ベストアルバム」的解釈ではなく、小西康晴の影響を脱して唯一無二のオリジナリティを獲得していくcapsuleの「ヒストリーアルバム」として捉えるべきではないかと思った次第(それでもリズムパターンや「変な音」を隠し味で使うという点においてはあいかわらず小西的だったりもしますが)。
そして、今回このアルバムを選んだもう一つの理由はPVを収録したDVDが付いていること。
「JUMPER」、「グライダー」など全7曲が収められていますが、個人的にはジブリ作品は省いてもいいので(笑)、アルバムとは別物と考えてもらって、今では高画質での視聴が難しい名作「プラスチックガール」や「idol fancy」のPVを入れて欲しかったところ。