野佐怜奈「DON’T KISS, BUT YES」


ピチカートファイヴ高浪慶太郎プロデュースによる、野佐怜奈のデビューアルバム。
またも「渋谷系」を髣髴とさせる仕上がりになっていますが、特筆すべきは、2012年時点での渋谷系再解釈ではなく、1990年代初頭のテイストがそのまま再現されていること。
高浪さんもあえてそこを狙ったんでしょうね。
直撃世代にとってはとても懐かしく感じます。
さらに言うなら、ピチカート時代に高浪さんが追求しようとした方向性も、今回のアルバムをとおして明確に浮かび上がってきますね。
高浪さんのメロディ+小西さんのギミックという組み合わせの楽曲が一番ピチカートに輝きを与えていたのかも知れません。
初回特典のインスト盤を聞いていると、なおのこと強くそう思いました。
野佐さんのヴォーカルも、そのまんま野宮真貴
なおかつサポートはポータブルロックとすべてがツボにはまりまくりの1枚です。
これ、野佐怜奈というボーカリストの個人アルバムではなく、渋谷系を回顧する「企画物」なんじゃないの(笑)。