『朝日ソノラマ』1960年9月号


ソノラマシート付きの時事ネタ雑誌ということは「知識」として知っていたものの、はじめて現物を見た『朝日ソノラマ』。
300円という発売当時より安い捨て値で売られていたので、興味本位で1冊買ってみました。
「歴史の実音」をとおした報道雑誌というコンセプトは今振り返ってみてもすごく画期的で面白いアイデアだと思います。
頭の中ではてっきり「1冊に1枚のソノシート」と思い込んでいたのに、これ、記事ごとに何枚もソノラマシートが付いているんですね!
この号では、串田孫一の文章とともに楽しむ「さらば夏の光よ」という楽曲で1枚、そして越路吹雪の歌で1枚、さらに「ソノメモリー」と題された歴史的事件の音源集には満州事変で尋問される溥儀や日独伊三国同盟締結を伝えるニュース、民放放送の第一声などが収録され、「ソノマンスリー」ではその一ヶ月間のニュースが音源でまとめられ、映画音楽盤にはフェリーニの新作(笑)「甘い生活」のニーノ・ロータによるテーマ曲が収められています(本誌には時代を感じさせる辛口の批評も掲載)。
ソノシートは全部で6枚、早速レコードプレイヤーにかけてみようと思ってます。
まさにCD、DVD付きムックのはしりなんでしょうが、今は本体とオマケが主客転倒したものの多い中、朝日新聞社が気合を入れて編集しているからか、本文の方も読み応えあり。
まとまった数を揃えると戦後文化資料としても価値が出てくると思うので、ちょっと集めてみようかなあ。