小沢さとる『海底戦隊』


集英社の『少年ブック』に、1960年から約2年半連載された小沢さとるの初長編作品。
ロボットものに海洋ロマンが付加された小沢の原点にして王道の物語。
ロボットで世界征服を企むテロ組織とそれに立ち向かう少年たちとの戦いを描くという単純明快な構造の中に、リアリティある設定とデザインのメカを数多く登場させた点に小沢の真骨頂と、長年に渡って支持されている要因があると思います。
発表当時は高度成長期の真っ只中、多くの子供たちが小沢の漫画で自分たちが大人になった時の近未来を空想し、実際成人して技術者となった人も多くいると聞きます。
今の漫画やアニメは刹那的で、その場限りの欲望を満たすものばかりになってしまったし・・・、今回の復刻で小沢漫画の文化史的意義がより鮮明になりましたね。
「クールジャパン」とか浮かれていないで、もっと過去の作品に向きあうべきでしょう。
ってまあ、それはアートも音楽も同じことだけど。
とまれ、脳波操縦メカのライナーは今見てもすごく斬新だし、カッコいいのだ(笑)。


マンガショップ刊。