「フェリーニのローマ」


名作揃いのフェリーニ作品ですが、自伝的要素を持つ「アマルコルド」や「ローマ」はこれまでどうにも苦手でした。
しかしいつまでも苦手意識を持っているのは良くないと思い、廉価版DVDがさらに値引きされて安くなっていたので、「チャンス」だと捉えて再度観てみることに。
・・・でもやはりお話しは退屈、というか物語はあってなきようなもので、しかも尺がかなり長い。
一方では画面構成や各シーンの密度が異様に高くて観ることの緊張感を強いられるし、たまにハッとする展開もあったりして、とにかく疲れるのだ(笑)。
派手で分かりやすいシーンが連続するハリウッド映画と対極にある映像ですが、こういう傾向のものを苦手にしているようじゃまだまだ僕もダメだなあ。
極端にデフォルメされた虚構美と意外に分かりやすい物語を持っている「カサノヴァ」、「女の都」、「そして船は行く」あたりがフェリーニの中で一番好きだというと、したり顔の人からは必ず「は?」みたいなことを言われるし(笑)。
とまれ、様々なエピソードの羅列の最後に暴走族が遺跡のまわりをぐるぐると周り続けるラストシーンは圧巻で、さすがは「映像の魔術師フェリーニ」。
まだこの映画をすべて好きなれるほど充分に感性は育ってないけど(笑)、もともとローマという都市に対する知識もほとんどないから、それもまあ仕方ないかな、と。
むしろ断片、断片では強く惹かれるシーンもあるにはあるので、今のところはそれで良いのだと自分に言い聞かせたりして。