電気グルーヴ「20」


結成20周年記念アルバムで、さらに肩の力を抜くのが電気グルーヴ
ジャケットをはじめ「20年」をこれだけ強調しているのに、その期待を裏切るかのような収録曲の「普通さ」と「脱力感」にまず感激!
ガンダム30年記念の仕掛けと比較すれば、「表現」と「商品」の違いが明確になると思います。
今回も基本的には「J-POP」以降の流れをくむ歌もの中心のアルバムですが、歌詞には少し意味性が回復しており、世界観としては90年代中頃の電気に近いかと。
トラックそのものももちろん真面目に作られていますが、懐かしい歌謡曲ニューウェーブのメロディやコードを軸にしているので、「?」と感じる人も多いかも知れません。
電気なりに自らのルーツである1980年代の音楽シーンを再検証しようとしたのでしょう・・・、個人的には「ストライクゾーンど真ん中」でした(笑)。
特典ディスクの1枚目は、本編のカラオケ集と「モノノケダンス」や「弾けないギターを弾くんだぜ」などのリミックスバージョンが収められ、2枚目の特典ディスクとなるDVDには「タランチュラ」、「電気グルーヴ20周年のうた」、「ピエール瀧の体操42歳」のPVが収録。
天久聖一による「電気グルーヴ20周年のうた」のPVは歌詞を漫画にし、それを映し出すだけの映像ですが、書店に並ぶ数々の偽漫画やメインとなるアルミ伯爵作『前髪タラちゃん』の濃厚なパロディ世界に思わず大笑い。
ピエール瀧の体操42歳」も相変わらずのノリですが、今回はそこから登場人物を抜いたカラオケ映像(!?)である「みんなの体操42歳」へと続き、まんまコンセプチュアル・アートのノリ!
電気って実はコーネリアスよりもすごいんじゃなかろうか、とマジで思ったりして。