和幸「ひっぴいえんど」


はっぴえんどの鈴木茂大麻不法所持で逮捕されたその日、加藤和彦坂崎幸之助のユニット「和幸」のセカンドアルバムが発売されました。
粋な大人の「お遊び」に「第二弾」があるとはうれしいものですが、ちょっと複雑な気持もしますね。
鈴木もこのアルバムに参加していたというのに・・・。
ということで気を取り直しつつ、ファーストは60年代フォークで、本作のテーマは70年代初頭の日本語ロック。
はっぴいえんどに対するトリビュートアルバムではなく、時代の象徴であるグループ名を借りて、当時のシーンを再検証しようというコンセプトのようです。
加藤自身は、フォークルやミカバンドで日本のシーンを当時リードしたミュージシャンでもある訳ですから、半端ない「本格ぶり」を見せつけてくれたな、と。
無知なボクには、フォーク+ロックの感覚、つまりバッファロー・スプリングスフィールドやクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの音楽が当時の世界の若者にどれだけ大きな影響を与えたのかはよく分からないし、今回使われているネタのルーツもほとんど見当がつかないけれど、聞いていて「そうそう、あの時代はこういう雰囲気だったなあ」と思うことだけは確か。
曲そのものは全く違うのに、はっぴいえんどの音楽と同じ質の気持ちよさが味わえるのです。
声の質がとても良く似ている2人(坂崎が加藤を真似ている?)なので、コーラスも絶品。
肩の力を抜きつつ真面目に遊ぶ・・・、今流行の音楽とは対極にあるものだし、若い人がどういう印象を持つのか、ぜひとも聞いてみたいところです。
個人的にはムッシュかまやつの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい 」のカバーがベストかなあ。
で、加藤の名曲「アーサー博士の人力ヒコーキ」のセルフカバーも楽しみにしていたんだけど、これってCDのみの通常盤にのみ収録されているボーナストラックだったんですね。
てっきり限定盤はDVDが+αになっているだけだと思っていたのに(泣)。
そういえば何気にジャケットも違うし・・・、う〜ん仕掛けが細かすぎるよお。
それにしても、最近の加藤和彦の活動を見ていると、何となく彼が江戸の戯作者のようにも思えてきました。
誰だろ、山東京伝かなあ、やっぱり(笑)。