1/20フェラーリ312T4ベルギーGP


モデルファクトリーヒロのプラキット第一弾が登場。
そしてようやく量販店でもキットの取り扱いがはじまりました。
とは言いつつ、オールプラスチック製ではなく、カウルやウイング類がプラスチックに置き換わっただけで、足回りや臓物は今までどおりホワイトメタル、エッチング、アルミパーツで組み上げる方式。
でもレジンに比べると整形、塗装が容易になるので、確かにありがたいことではあります。
今回のモチーフは1979年のダブルタイトルマシンであるフェラーリ312T4。
フェラーリ初のグランドエフェクトカーとして知られる1台で、ジル・ヴィルヌーヴジョディ・シェクターのコンビで計6勝を挙げています。
カーボンコンポジットがメインの現在とは異なり、様々な素材で作られていた当時のF1マシンを、こうした複合素材で再現するのはある意味理にかなっているのかも知れません。
モノコックやファンネル、エキゾーストエンド、ホイールはアルミ製・・・、むしろ「表現」としては素材のままでオーケーなので製作の手間も省けるというもの。
ファンネル用の金属メッシュ、ウインドシールド用のバキュームフォーム、マフラー留めのスプリング、コードやパイプ、シートベルト用の布など、実車の質感に最も近い素材でパーツが準備されており、アフターパーツ要らずな点も好印象です。
さらにはボディカウルがマグネット式で脱着できたり、サイドスカートはエッチング製で可動するなどギミックも充実しています。
キットはシェクターが優勝したベルギーGPバージョンとなっていますが、同じ仕様で走ったスペインGP、ドイツGP、オーストリアGPバージョンでも組めるとのこと。
当初はプラスチックと他素材の勘合が不安でしたが、かなりのレベルでピタッと合いそうなので一安心でした。
以上、至れり尽くせりの内容で、しかも特筆すべきは同社のレジンキットと比較すると値段もグッと抑えられていること。
定価15000円はプラモデルとしては高価ですが、ガレージキットと考えれば破格の安さではないでしょうか。
同社がいち早く発売をアナウンスしたために、ハセガワが312T4の開発を中止したとも噂されたこのキット。
確かにこの充実度をみると、ハセガワが勝てる要素は「価格」くらいだったかも・・・。
厳しい言い方かも知れませんが、ハセガワの決断は正しかったと思います。