■

バンダイの超絶なる設計、金型加工、成型技術をフルに活用した現用船舶の模型。
ガンプラの進化に伴う技術革新が、こうした形で他ジャンルの模型に還元されるのは素晴らしいことだと思います。
本作のモチーフはJAMSTECの化学掘削船「ちきゅう」で、スケールは船舶の模型として一般的な1/700。
Exploring Lab.シリーズの旧2作よりさらに意欲的な内容となっており、デリック等の複雑な構造を持つ箇所はパーツを極力一体化し組み立てやすくする一方、逆に色の異なる部分は徹底的に分割してパチ組みでのカラーリング再現を実現した脅威のキットです。
その双方のバランスも絶妙なんですよねえ。
接着剤不要のスナップフィットモデルでありながら各部のモールドは緻密に表現され、さらには内部構造の一部まで再現されるなど、正直こんな1/700スケールの船の模型などこれまで見たことがありません。
解説を参照しながら模型を弄れば、構造や機能も少なからず理解できるという、まさに「教材」としての価値も高い1点となっています。
タミヤもハセガワも、この模型の登場には少なからず脅威を感じているのではないでしょうか。
もちろん僕は2個買いしました。
まず1個はパチパチと組んで、バンダイの技術力の凄まじさをとことん味わい、もう1個はじっくりと作りこんでみたいと思っています。
大げさではなく「数年に一度の名作キット」と言えるのではないでしょうか。