『オートモデリング』Vol.27


特集は前号からの続きで、「F1王者乱立!2006-2011」。
この6年は、レギュレーションが大きく改正されてマシンの形状が劇的に変化したり、世界的な不況を受けて大手メーカーの撤退も相次ぐなど、まさに「F1の一大変革期」でした。
チャンピオンも2006年のアロンソからライコネン、ハミルトン、バトンと続き、やっとここ2年をベッテルが連覇したものの、ほぼ毎年目まぐるしく変わるという有り様。
毎年最終戦までもつれる接戦が多く、さらに波瀾含みの展開もあるなど、退屈なシーズンはそれほどなかったはずですが、実は意外に冷めた視点で僕はレースを見ていました。
ま、ルノーが弱体化、撤退したのがその大きな原因なんですけどね・・・。
本書では、そうした究極のエアロパーツゴテゴテマシンと、いきなりシンプルになったF1マシンの双方が多数紹介されています。
2006年の「ルノーR26」、2007年の「フェラーリF2007」、2008年の「マクラーレンMP4-23メルセデス」、2009年の「ブラウンGP BGP001メルセデス」と各チャンプマシンが1/20スケールのプラモとガレージキットで取り上げられていますが、レッドブルだけは1/18ミニカーでの紹介・・・、ついにタミヤから2010年のRB6が発売になるということで、もう少し発売を遅らせても良かったかもね(笑)。
その他、「フェラーリF2008」、「メルセデスGP W01」、「フェラーリF10」、「フェラーリ150°イタリア」など時代を象徴するマシンや、佐藤琢磨の「BAR006ホンダ」、「スーパーアグリSA07ホンダ」、中嶋一貴の「ウイリアムズFW30トヨタ」、小林可夢偉の「ザウバーC30フェラーリ」など日本人ドライバーにゆかりのあるマシンもたっぷり掲載されています。
一つ一つの作例はさほどクオリティが高い訳ではないし、製作記事を充実させる編集方針でもないけれど、グラビア的にパラパラ眺めるには最適の1冊。
ハウツー記事はもはやネットを探せばいくらでも出てくるから、書籍は模型のきれいな写真をじっくり眺めて楽しむ、という方向性で充分だと思います。


モデルアート社刊。