「オーケストラ・リハーサル」


フェリーニの後期作品が何本かまとめてDVD化されたので、この機会に未見だった「オーケストラ・リハーサル」を購入。
1978年の作品で、尺は70分とフェリーニ作品としてはかなり短め。
確かもともとはテレビ用に作られたものだったと記憶していますが・・・、違ったかな?
オーケストラのリハーサル風景をテレビのインタビュー番組風に描いた1本で、舞台となるのは「オーケストラのリハーサル室」と「酒場」と「指揮者の控え室」の3箇所のみ。
豪華絢爛なセットを作り込むフェリーニ作品の中ではかなり地味??
・・・しかし、これがめちゃくちゃに面白い!
長らく絶版だったのが不思議なくらいに、フェリーニらしい混沌と虚構性、寓話性に満ちた傑作でした。
笑いの要素もたっぷりと取り入れられ、さらに感動も少々・・・、イタリア人情劇としても楽しめます。
しかめ面の批評家たちは何とか深遠なテーマを探り出そうと必死のようですが、フェリーニフェリーニらしく気楽に娯楽映画を撮ったとみるのが正しいんじゃないでしょうかね。
テーマ曲くらいしか聞いたことのなかったニーノ・ロータの音楽も絶品でした。
もっと早くに観ておけば良かった、と軽く後悔。