ティレルP34 日本GP #3


デレック・ガードナーの設計による、1976年シリーズ第4戦から1977年シリーズの最終戦まで出走した6輪マシン「P34」。
今回キット化されたのは77年の日本GP仕様で、ホイールベースの延長とフルカウル化が図られ、オイルクーラーをフロントウイングに装着したP34の最終進化形と言えるもの・・・、マニアにとっては待望の模型化と言えるかも知れませんね。
同じP34だけどタミヤの1976年や77年前半戦のモナコGP仕様とは大きく異なる日本GP仕様なので、作り比べも面白そうです。
エンジンがカウルで覆われたことで、空力を強く意識する今のF1のデザインにちょっと近づいているから、僕のような若造にも馴染みやすいデザインとなっています(笑)。
それでいて珍妙な6輪車なんだから、やっぱり惹かれちゃいますよねえ。
キットはカウルを含めかなり細かな分割となっており、組み立ての手間はかかりそうだけど、その分精度の高い模型が手に入れられそう!
エンジンはやや精密さに欠けるけど(30年以上も前のタミヤの同型エンジンの方が再現性は上かも?)、簡易ながらフロントの4輪操舵システムが再現されていたりと実車の構造も少しは学べそうです。
仮組みしてフロントタイヤを曲げてみると、開発の止まった小径タイヤの性能を引き出すために、空力を犠牲にしてワイドトレッド化した意味も何となく理解できたりして・・・、まさに模型をいじることの醍醐味ですね。
きちんと完成しなくても、パチパチと組みながら実車のメカニズムをあれこれ想像するだけですごく意味のあることなんじゃないかと最近は思ったりもしていて・・・、印刷物やモニター上の画像、動画だけじゃ「経験」としての理解までは至りませんからね・・・、なんて一向に完成品が増えない自分を慰めたりもして(笑)。
ただ問題なのは当時レース中に観客を巻き込む死亡事故を起こした車ということ。
もちろん車じたいに責任がある訳ではないけれど、その後の10年日本ではF1GPが開催されなくなった原因の一つを作った車であることも確かなので、やはり心して取り扱う必要はあるのかな、と。