ムーンライダーズ「Ciao!」


2011年11月の満月の夜、ついに活動停止が宣言されたムーンライダーズ
ちょうどデビュー35周年ということで、なんとなくアルバムくらいは出るだろうと予想していたけど、まさかこのオリジナルアルバム25枚目で打ち止めになってしまうとは・・・。
それも激動の2011年のおしまいの12月に発売するという憎い演出で(笑)。
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ライダーズのラストらしく、メンバーそれぞれが2曲ずつ持ち寄った全12曲で構成された今回のアルバム。
ここ数枚続いていた、とっつきやすい印象は皆無で、かなりとんがった実験的な楽曲が並んでいます。
それにしても、活動停止を踏まえての1曲目が「who's gonna be reborn first?」とはホントにギミック好きな人たちだよなあ(笑)。
しかも8分の7拍子の不思議なリズムとアレンジ、さらには構成も斬新で、のっけから頭をガツンとやられてしまいました。
その後もメンバー6人の個性がいかんなく発揮された曲が並び、ラストは「蒸気でできたプレイグランド劇場」でどこまでも明るく、そしてちょっぴり切なく終演に。
すべての曲が水準以上かと言えば決してそうではないけれど、トータルではかっちりとした印象を残してくれる、いかにもライダーズらしい1枚でした。
明るくて暗く、硬派で軟派、ポップなのに難解、老獪なのに新鮮・・・・、やはり凄いバンドだなあと改めて思い知らされた次第。
まあ人を食うことにかけては右に出るもののいない人たちなので(笑)、数年後には何事もなかったように復活してくれることを期待しつつ・・・、しばらくはヘビーローテが続きそう。