『F1のテクノロジー』


F1マシン好きにはたまらない1冊。
2002-2009年までF1参戦したトヨタのマシン(TF101からTF109)を題材に、F1マシンのメカニズムの詳細を写真、イラスト、テキストで紹介。
特筆すべきは、エアロダイナミクスだけでなく、エンジンの開発系譜やギアボックス(シムレスシフトの原理までも解説!)、サスペンション、さらには排気システム、KERSなど、エンジニアでなければ興味すら持ちそうにないところまで丁寧に、詳しく触れている点。
エンジンの透視イラストレーションや全パーツの分解写真などは、素人目にも感動してしまうほどの情報量です。
2009年にレギュレーションが変わり、マシン形状が大きく変化しましたが、各空力パーツの役割を含め、ここまで分かりやすく図解した記事も初めてなのではないでしょうか。
タイヤに関する記述も興味深く、レギュレーションによって溝が入ったり、幅が狭くなったりとタイヤのレギュレーションもコロコロ変化していますが、それがここまで大きな性能の変化になっていたとは、まさに目からウロコでした。
もちろん、内容のすべてを理解することなど僕には不可能だけど、充実したビジュアルである程度わかった気にさせられるのがうれしいところ。
うん、とても良い本です!

三栄書房刊。