シーシックセイラーズ登場!


曽我部恵一プロデュースによる鈴木慶一のヘイト船長シリーズ(?)第二弾。
昨年の日本レコード大賞で最優秀アルバム賞をとったことも影響しているのか、わずか1年足らずでの新作登場とはビックリです。
暗くダルな雰囲気は前作そのままに、よりコンセプチュアルな凝った作りとなった今作、不戦戦艦シーシック号から発信されるラジオの海賊放送という設定のもと、フォークからロックにいたる様々な楽曲にDJ(しゃべるほう)やCMをはさむという構成によって、ある航海の物語が多義的に、それでいて不思議な統一感を持って展開されます。
楽曲そのもののトータルの完成度は前作に分があるような気がするものの、その特異な世界観はやはり圧倒的でした。
今回はバンド演奏が中心で、アレンジを含めてやや曽我部カラーが強く出ているようにも思えましたが、それが鈴木慶一の実験的資質とうまく融合して、何度聴いても飽きない、というか聴けば聴くほどに深みの増す1枚に仕上がっています。
ついでに言えば、彼らの流行に媚びない態度も大いに見習いたいところ。