劇場版グレンラガン紅蓮篇


昨年公開された劇場版グレンラガン第一弾が早くもDVD化。
できればブルーレイディスクで欲しかったけれど、現在の普及率を考えればまあ仕方ないところでしょう。
本編は新作カットを多数追加し、セリフもすべて新録音、TV版よりもさらに勢いが増しており、2時間という尺の中に物語を凝縮させたこの劇場版の方が、グレンラガンの持つ「疾走感」には似合っているように思えた次第。
TVの編集版映画は「マニア向け」という通説を打ち破り、TV未見の人間でも充分に理解でき、楽しめ、泣ける内容になっていたのはさすがという他ありません。
エンディングまで一時も目の離せない、密度の高い1本でした。
それにしても、難解(なフリ)かつ深刻(そう)なアニメが幅をきかす中で、こういう理屈抜きで楽しめる熱血ロボットものが復活したのはうれしい限り。
芝居の付け方やセリフ回し、効果音の入り方などに演劇的手法が多用されていますが、これは劇団新幹線の座付脚本家、中島かずきの力によるところが大きいのでしょう(余談ですが、地下で穴を掘りながら暮らすという設定は彼の生まれ故郷、筑豊田川の炭坑がヒントになっているのではないか、などと考えたりもして)。
こうした異業種の人材を積極的に登用していくことで、まだまだアニメでもやれることはたくさんあるような気がしてなりません。