『昭和プラモ名鑑』


全300ぺージで6000円はかなり割高感がありますが、出版業界じたいが不況だし、もともとそんなに売れる類の本でもないでしょうから、まあ仕方ないかな、と。
内容は1958年の国産プラモ第1号「ノーチラス号」から1970年代中期までに発売されたキットを自動車、戦車、航空機、艦船、空想科学、その他のジャンルに区分、詳細な解説とデータを記載して約300点を収録したもの。
加えて、マルサン商店と三ツ星商店の1961年商品カタログの完全再録や、2008年現在までのプラモデル史や関係者のコラム等も充実しており、国産プラモデル50周年の記念にふさわしい1冊となっています。
ただ、この手の書籍では必ず感じることなんですが、その高い資料性を活かした社会史、経済史、産業史、文化史的な視点からの論考が欲しいところ。
プラモデルは決して「閉じたジャンル」ではなく、戦後の「日本」を考察する上でも重要な素材であるのですから・・・。
大日本絵画刊。