電気グルーヴ「J-POP」


電気グルーヴがついに8年ぶりとなるオリジナルアルバムを発売。
題して「J-POP」。
タイトルについて、インタビューでは「皮肉でも何でもない」と言ってましたが、電気のことだからやっぱり勘ぐってしまいますよねえ・・・、ジャケットの写真は「外人」風の二人だし(笑)。
個人的には前作「VOXXX」のイカレた過剰さ(特に「エジソン伝」)が好みで、次は一体どうなるのかと非常に楽しみにしていたのですが、先行シングルを聞いたら一気に90年代半ばの音に回帰していたので若干不安を感じていたものの、アルバムではそれらのアレンジも改められ、無駄の削ぎ落とされたリズムとメロディを持つシンプルながらも奥深い「音」で全体が統一されており、あっという間にはまってしまいました。
まあ「VOXXX」の音はある意味「究極」で、発展や展開の余地すらも残されていませんでしたが、本作はその反動か、何か迷いが吹っ切れたかのような軽快な印象を受けるポップな仕上がりで、エレクトロニカの最新動向を踏まえつつ、J-POPの演歌的な歌詞を小ばかにしたような無意味な言葉の羅列をスパイス的にまぶした作品となっています。
むろん8年待たせただけあって、どの楽曲も完成度はピカイチ。
全12曲、捨て曲一切なしで、じっくりと聞き込む価値のある一枚と言えましょう。