それから先のことは


加藤和彦のヨーロッパ三部作に先立つソロ2作品が紙ジャケット仕様でついに再版。
セイゲン・オノによる最新リマスタリング版なので音質もバッチリです。
サディスティック・ミカ・バンド解散後の1976年に発売されたこのアルバムはズズとのコラボレーションが始まった記念すべき一枚であり、二人の生活ぶりが淡々と綴られたその世界観は、当時かなりの衝撃を与えたのではないでしょうか。
「セレブ」などという俗っぽい言葉のなかった時代、バブルよりも遙か以前に、こんな「暮らし」が存在していたとは・・・、僕は80年代の終わりにはじめて聞いたのですが、それでも大いに感化されてしまったほど。
ジャケットの写真を見れば僕が何を言いたいのかは一目瞭然でしょう。
そのグローバルな感性は、やがて渋谷系へと継承されていくことになりますが、とにもかくにも30年も前に日本でこんな上質な大人向けのポップスがあったことを我々はもっと誇るべきだと思います。