bossa nova 1991


小西康陽選曲によって1990年代を席巻した「渋谷系」を回顧しようというコンセプトのアルバム。
2枚組みで全27曲と、ボリュームも満点です。
オリジナル・ラヴ、フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴといった大御所から、カヒミ・カリィ、ラヴ・タンバリンズカジヒデキ、les 5-4-3-2-1といった渋谷系シーンを多彩に彩ったミュージシャン、さらにはサニーデイ・サービス、FPM、マンスフィールドといった直系および周辺のミュージシャンまでを網羅。
ライナーノーツを読む限り、「大人の事情」でこういう選曲になったそうだけど、スチャダラパーやU.F.O.が入っていないのはちょっと残念かも。
フリッパーズの「ヘッド博士の世界塔」を連想させるジャケットデザインはもちろん信藤三雄
知っている曲も知らない曲も含めて、1990年代の懐かしい風景が目の前に広がっていく気分です。
渡辺満里奈の「大好きなシャツ(1990旅行大作戦)」を聞いていたら、学生時代を思い出して不覚にも涙が出てきましたよ(笑)。
渋谷系と称される人達が登場して、一気に音楽の幅が広がり、さあ日本の音楽シーンもこれから面白くなってくるかなと思っていたら、結局表層だけが継承され、「演歌」的な要素と融合したポップスしか残りませんでしたねえ・・・。
そういう意味で渋谷系は、時代の仇花だったのかも知れません。