MG「OZ-00MS トールギスI EW」


ようやくMG化されたトールギス
長年の夢がこれでようやくひとつ叶いました(笑)。
ガンダムW本編は途中までしか見てないし、味方サイドのガンダム5機にも全く惹かれないんだけど、敵OZのMSはカトキハジメの本領発揮という感じで斬新なデザインが多かったように記憶しています。
このトールギスはその原点。
シンプルだけど、優雅な曲面で構成された気品あるフォルムが魅力的なMSです。
各部の構成もそれまでのMSにはない新しさがあり、巨大な推進力を有することと、その扱いづらさが一目で分かる背部スラスターのデザインも秀逸。
モチーフは西洋の甲冑でしょうが、こうした機能美に富むMSってのは案外少ないんですよね。
なので、いてもたってもいられず、購入と同時にパチパチと組んでみましたが、目の前にあらわれたトールギスを見てはじめて我に返りました。
・・・え?ちょっと違くない?
確かにカッコいいし、スタイルも良いのだけど、CAD設計の限界というやつか、設計者のセンスが凡庸なのか、とにかくボディラインに「艶」がないのです。
あと頭部もむやみにシャープなガンダム顔になっていて、萎えてしまいます。
なんでもかんでも今風のデザインに修正すればカッコ良くなるってことではないんだよねえ。
「通常のMSのフォーマットに則ってキット化したら見事に失敗」してしまった典型例でしょう。
トールギスと言えば太ましい脚部にまず目が行きますが、キットの太ももはボリュームこそあるものの、ラインが硬くて違和感のある造形、さらにスネも絞り込みが強過ぎて「俺って美しいだろ?」の自己主張がウザ過ぎです。
無骨さと華麗さがギリギリのところでせめぎあうトールギス本来の魅力が見事に殺がれてしまっています。
結局昔の1/100キットの方が良い造形だったというオチ。
う〜ん、残念です。
本体の可動域はかなりのものだし、背部スラスター接続方法の新解釈と展開ギミック、そして主武装ドーバーガンのスプリングによるブローバックギミックなどはよく工夫されていると思います。
つまり動かして遊ぶ分には申し分なく、このMGキットは「玩具」と割り切るのが精神衛生上良さそうです。
V2ガンダムターンXのMG化も期待していたのですが、いつものフォーマットからはずれるMSになると途端にヘボになってしまう今のバンダイじゃ、キット化は相当先送りにしないと無理かも。
そして本当に美しいトールギスを手にしたいなら、とことん改造しないといけないことを思い知った次第。
「玩具」として遊ぶのではなく、「模型」として飾りたいから。
もちろん色はアニメ版で。