1/20「フェラーリF60」


フェラーリのF1参戦60周年を記念したネーミングを持つマシンにもかかわらず戦績はボロボロ、シーズン途中で開発が放棄されるという近年稀に見る駄馬でしたが、なんとタミヤが6年ぶりのF1キットに選んだのがこのマシンなのだから、悲喜こもごも。
シーズンに入る前に開発が始まったということでやむを得ない面もあるにせよ、ことF1に限ってはタミヤの先読みはいつも大ハズレな訳だから、そろそろきっちりと成果を出した過去のモデルをターゲットにしてもいいんじゃないでしょうかね。
実際、フジミはそれである程度成功を収めている訳ですし。
ということで、レギュレーションの変更を受け、シンプルかつ奇異になった今年のF1マシンですが、格好悪いとの評判がもっぱらであるものの、やはりここは立体物で形状を把握してみたいし、その意味での車種選定に僕自身は取り立てて不満なし。
スッキリとしたボディ形状と幅広のフロントウイングと幅狭のリヤウイングが特徴の今年のマシンですが、チームの明暗を分けた最大のポイントはディフューザー形状。
ブラウンGPの序盤の快進撃、トヨタとウイリアムズの好調を支えた肝のパーツであり、フェラーリも中盤戦から導入したものの、残念ながら本キットでは初期仕様のまま。
う〜ん、ここだけはかなり残念。
ともあれ、少ないパーツ数で巧みにボディラインを表現しつつ(当然、実車と同じ分割ライン!)、組み立てやすさにも配慮が行き届いている点はさすがタミヤ・・・、フジミとは比較にならない圧倒的な精度を持っています。
タイヤは回るのにホイールカバーが回転しないギミックなども地味ではあるものの、タミヤらしい配慮と言えましょう。
デカールはカルトグラフ製、初回特典としてシートベルト金具用エッチングとタイヤマーキング用テンプレート(しかもゲートレス式!)、アンテナ線が付属し、定価は5250円。
個人的には、決して高い値段ではないと思います。